GUIDE / キャリアの意思決定 / 更新 2026-09-22

エンジニア転職のポートフォリオ、何を作るか迷う人が見落とす点

「ポートフォリオ 何を作る」で検索する人が探しているのは、たいてい題材のアイデアだ。ToDoアプリ、家計簿、天気予報bot、SNSクローン。検索すればすぐに一覧が出てくるし、SNSでも「未経験におすすめの題材10選」のような投稿はいくらでも見つかる。

だが、一覧から題材を選んで作り込んだ人の多くが、書類選考であっさり落ちる。理由は題材が地味だったからではない。採用側が見ているのは題材の目新しさではなく、仕様のどこかを自分で決めた形跡があるかどうかだからだ。既存のツールをそのまま模写しただけの成果物は、動いていても「決めた」証拠にはならない。

ここまでは、もう目新しい話ではない。この評価軸自体については未経験からPythonで転職できるかで扱っているので、本稿では前提として押さえるにとどめる。本当に多くの人が詰まっているのは、その先だ。「決めた形跡を残せ」と言われても、そもそも自分がどこで何を決められるのか、その見つけ方が分からない。ここを掘り下げる。

余地は、題材ではなく「絞り方」の中にある

多くの人は、決められる余地を探すとき、題材そのものを変えようとする。もっと珍しいテーマ、もっと複雑な構成にすれば、自然と決めるべきことが増えるだろうと考える。だがこれは遠回りになりやすい。題材を大きく複雑にすると、完成させること自体が目的化してしまい、結局は参考にした構成をなぞるだけで終わりやすいからだ。

余地は、題材の目新しさではなく、対象範囲の絞り方の中に隠れている。例えば読書メモアプリを作るとする。「読んだ本を記録して感想を書けるアプリ」という広い範囲のまま作ると、機能も画面構成も、参考にした教材や既存アプリの真似で埋まっていく。ここに「積読(買ったが読んでいない本)の扱いをどうするか」という一点まで範囲を絞るとどうなるか。積読を別のリストとして分けるか、同じリストにステータスとして持たせるか、読み始めた日はいつ記録するか。この一点だけで、自分で判断しないと先に進めない分岐がいくつも出てくる。

範囲を絞るというのは、機能を削って手抜きをすることではない。むしろ逆で、狭くした分だけ、その中の細部を自分の頭で決めなければならなくなる。広い範囲のまま作ると、細部の判断は「教材や既存アプリがそうなっているから」で済んでしまい、決める場面自体が生まれない。

それでも見えないなら、題材を「不満」から探す

範囲を絞っても、まだ自分で決められそうな箇所が思い浮かばないことがある。その場合にようやく、題材そのものを見直す価値が出てくる。ただしここで探すべきは「もっと目新しい題材」ではなく、「自分が普段使っているツールに、少し不満を感じている場面」だ。

不満のある場面には、たいてい「本当はこうであってほしい」という自分なりの基準がすでに存在している。例えば乗換案内アプリを使っていて、「終電を逃したときの代替ルートまで一緒に出してほしいのに、出てこない」と感じたことがあるとする。この不満をそのままポートフォリオの題材にすると、「代替ルートをどんな条件で表示するか」「何分の遅れから代替候補を出すか」という基準を、自分で一から作ることになる。既存のアプリがまだやっていないことを埋めようとするので、参考にできる正解がそもそも存在せず、必然的に自分で決めるしかない状況に追い込まれる。

不満から探す方法が優れているのは、目新しさを狙って考え出した題材と違い、動機が後から説明しやすい点にもある。「なぜこの機能を作ったのか」と聞かれたとき、「自分が実際に困っていたから」と答えられる題材は、説明に迷いが出にくい。目新しさだけを狙った題材は、いざ理由を聞かれると「なんとなく面白そうだったから」以上の答えが出てこないことが多い。

余地を見つけたら、そこだけを記録しておく

範囲を絞って余地を見つけても、作っている最中はその判断を忘れてしまいやすい。手を動かしているうちに、なぜその設計にしたのか、どんな選択肢を捨てたのかという記憶は薄れていく。だから、余地を見つけた瞬間に、その判断と理由を短くメモしておくことをすすめたい。完成してから思い出そうとしても、たいてい「なんとなくこうした」という記憶しか残っていない。

メモする対象は、機能の全体像ではなく、自分で決めた一点だけでいい。「積読の扱いをリストではなくステータスにした。理由は、同じ本を読み返すケースがあり、リストを分けると二重管理になると考えたから」。この程度の短さで十分だ。こうした一点の記録が数個溜まっていれば、面接で「このアプリで工夫した点は」と聞かれたときに、迷わず具体的な話ができる。

題材選びに時間をかけすぎている自覚があるなら、一度、探しているものを「面白い題材」から「絞れる範囲」に切り替えてみてほしい。多くの場合、答えが出ないのは題材が悪いからではなく、探す場所を間違えているだけだ。

教材選びの段階でまだ迷っている場合は、Python学習教材ランキングで他の学習者がよく参照している教材の傾向を確認できる。ただしこれは教材やツールの引用実績を集計したものであり、ポートフォリオそのものの良し悪しを判定するものではない。tasklogは、資格の合格体験記やレビュー記事の中で実際にどの教材が引用されているかを集計するサービスで、優劣を採点する仕組みは持っていない。学習の入口で参考にする程度にとどめてほしい。

https://s-tasklog.com/learn/python

スポンサーリンク

関連データ

ほかのガイド